リチャード・アヴェドンのニシキヘビと日本

米VOGUE誌での「ダイバーシティ」特集の件がとても気になっています。

ことの発端はアメリカ版VOGUE 2017年3月号での“Diversity”特集から始まったものです。文化の多様性を謳った特集で、モデルのカーリー・クロスが黒髪のウィッグをつけて“ゲイシャ”スタイルで撮影された写真が文化の盗用にあたると批判された、という件です。当のカーリー・クロスが謝罪を表明し、日本でも数件のニュース掲載がありました。

The Huffington Post
カーリー・クロスが炎上謝罪  日本文化を盗用と指摘、米VOGUE誌で「芸者スタイル」披露

BuzzFeed
カーリー・クロスがVOGUEで芸者の格好。「日本文化をバカにしている」と批判受け謝罪

日本で報道された後の反応では、「批判は行き過ぎ」というコメントが多く見つかります。ですが、報道内容を見るとちょっと奇妙に感じます。ファッション誌の特集はモデル1人で作るものではないのに、謝罪しているのはモデルだけです。エディターやフォトグラファーはどこにいて、何を思っているんでしょう?

ハフポストの記事では、米国内での報道が引用されているので、ロサンゼルス・タイムズThe CUTの記事を読んでみたらやっと経緯がわかりました。まず、ロサンゼルス・タイムズは、VOGUEの編集部にもコメントを求めたものの、返答はなかったと書いています。

シカトの理由はThe CUTを読むと想像がつきます。VOGUEが日本の文化を「背景」として使い、白人モデルを引き立てるファッション特集を掲載したのはこれが初めてではないからです。

1966年、当時のVOGUEの編集長ダイアナ・ヴリーランドの企画で、冬の日本を舞台にしたファッション特集が企画されていたのですね。フォトグラファーはリチャード・アヴェドン、モデルはドイツ系のヴェルーシュカ・フォン・レーンドルフです。

何しろアヴェドンなので、今見ても格好いいのですが、それにしたって同じことは今ではできないだろうなあという感想しか出てきません。日本の風景は洗練されたファッションを引き立てるための背景というか……。リチャード・アヴェドンといえば、ナスターシャ・キンスキーにニシキヘビを絡ませた作品を思い起こしますが、VOGUEの1966年特集でいえば日本人はニシキヘビ扱いに見えます。

50年前とはいえ、掲載誌が同じVOGUEなので、「知っててやってるんだろうな」という感想にどうしてもなります。ただ、2017年にアヴェドンと同じことをそのままではできないので、「ダイバーシティ」という皮をかぶせたのだろうな、という感じ。ロサンゼルス・タイムズの記事では、「表紙に登場する7人のモデルはそれぞれ多様な肌の色を表現しているはずなのにあまりトーンが変わらない」とか、「プラスサイズモデルの誌面での扱いが微妙」といった批判についても触れられています。

カーリー・クロスの謝罪を見ると、「文化的にセンシティブでない撮影に参加してしまったことについて深くお詫びします」という言い方をしていて、そこから読み取れるのは、ファッションモデルという存在は表現する人だけれども企画の主導者ではない、ということではないでしょうか。にもかかわらず、ノーコメントを貫くVOGUE編集部に代わって謝罪する役割を引き受けているのですから、モデルの立場は、編集部やフォトグラファーに比べて弱いということが透けて見えるようにも思います。

これはまあ、批判はされるだろうというのが正直な感想です。「着物にたいしてこの扱いなら、他の国の民族衣装に対しても同じことをするだろう」「初めてじゃない」「ダイバーシティの表現が意図ならば、関わる人をもっとちゃんと扱うべき」といった懸念がどうしても喚起されてしまいます。

それでも写真は洗練されているし、そしてVOGUE編集部はコメントしていないのですから、批判は承知の上なのでしょう。ダバーシティというと、私はカナダのレゲエポップバンドMAGIC!の『Red Dress』のMVに太った女性、肌の黒い女性、白斑のある女性が登場するのがとても好きなのですが、メッセージがストレートなので洗練されたファッションかというとそうではないように思います。

日本で報道するにあたっても、引用した米メディアで触れている関連情報を盛り込んだ記事にしないと判断しにくいように思います。付帯情報なしで「日本人(アジア人)をバカにしていると思いますか?」と聞かれても、どうしてもコメントはものごとの辺縁をふわふわ回ってしまうのではないでしょうか。

カメラマン、ライターの仕事の価値を勝手に下げないでください

大変に残念なブログがありました。

写真が撮れてこそWebライター!本気でライティングを仕事にしたい人のための写真術』とのこと、Webライターとして記事のための写真撮影を指南するのだそうです。

大変若い方のようですので、私のような年上の人間があまり批判的なことを申し述べるのは気が引ける部分があります。とはいえ、この記事のような”写真術”がライターのスタンダードだと思われるのでしたら、広い方面に迷惑がかかるだけですので、執筆者の方のプロフィールはさておき、検証してみます。

露出補正だけではどうにもなりません

「(1)取材先の会社に行く、自社に来てもらう場合」の項によれば、取材対象者の人物撮影の場合、窓を背景にして座ってもらう方法がおすすめとなっています。「ふんわりした明るい写真にできる」「外の景色が背景になる」ためだそうですが、逆光気味で人物の顔が暗くなる。そうですね。そしてこれは

これはカメラの「露出補正」という設定を+側に振るだけで解決できます。

のだそうです。ですが、解決しません。サンプルの画像の場合、大きな窓の天井近くから外光が人物の手前まで回り込むように射しています。ですから露出補正である程度まで手前を明るくすることができますが、もっと窓の面積が小さかったどうでしょう? また、手前の室内に色の強い、面積の大きなものが置いてあったらどうでしょうか?

本当に撮影のために背景に負けない明るさを手前から補って色を出すのであれば、露出ではなくストロボやレフ板で光を入れるしかないのです。この項に限りませんが、このブログにはライティング(文筆のことではなく撮影照明のことです)に関する記述がほとんど出てきませんね。影は、明るくしても影です。白っぽくなるだけ。光の当たっている明るい部分は、露出補正や画像編集を行えばもっと白くなってしまいます。

構図と出力が合っていません

「(1)三分割構図とは」の項によれば、「黄金比の三分割構図だけは必ず覚えて」おけば実践的なのだそうです。「三分割構図とは、デジタル一眼レフカメラの撮影基本比率となっている3:2の長方形内」ということです。しかし、画像の縦横比が3:2となっているのは35mmフルサイズに合わせているから。デジタル一眼レフカメラの規格として提唱されたフォーサーズシステム(Four Thirds System)は名前からわかると思いますが画像の縦横比は4:3です。

後半の「(1)ファイルを圧縮しよう」の項に記述がありますが、この方の使用カメラはニコンD800で普段の画像サイズは5023×3347ピクセルとのこと、これならおよそ縦横比は3:2です。普段使っているサイズ、3:2を基準に構図を決めるというのはわかりますが、それはこの方の機材に当てはまることでしょう。ちなみに私はニコンでもだいぶ前のD3100を使っていますが、規格がAPS-Cですので画像縦横比は4:3です。

※機種、規格と縦横比の認識に一部誤りがありましたので訂正します。

また、同じファイル圧縮の項に最終出力として「iPhoneのRetinaディスプレイに対応できる、横1136×横640ピクセル(ママ)」という出力サイズの想定が出てきます。長辺1136×短辺640というのは3:2でも4:3でもありません。最終出力と違う縦横比で構図を決めると、何が実践的になるのでしょうか。

機材一式で70万円を越えます

生臭い話ではありますが、Webライターとして、プロとしての撮影術を云々するのであれば、収入と機材費のバランスを考えないわけにはいかないでしょう。

「(1)取材に必要な撮影機材一覧」の項には、理想の機材一式として、「デジタル一眼レフカメラ」「24-70mm程度の標準ズームレンズ」「50mm単焦点レンズ」「70-200mm程度の望遠ズームレンズ」「フラッシュ」「SD(CF)カード」「予備のバッテリー」が挙げられています。先ほども述べたようにこの方はニコンのD800がベースということですから(現行モデルはすでにD810ですが)、ボディがおよそ28万円程度、単焦点レンズが5万円程度、ズームレンズはそれぞれ20万円程度、ストロボは純正品で3万円から、おおまかに計算しても76万円。予備バッテリーやメモリーカード代もかかります。また、三脚の話が出ていませんが、三脚が必要になるシチュエーションは取材の中にはないのでしょうか。

こうした費用はあくまで撮影のため、そのほかにPC一式やソフトウェア、ライターとして録音機材などが必要になるわけです。タイトルにあるようにWebライターとして取材、原稿を書きながら同時に撮影も行わなくてはならない。ここで求められているのは、プロのカメラマンとプロのライター、2人分の働きを1人でせよ、という人物像なのです。

1人の人間が、機材を揃えればプロ2人分の働きができて、報酬もプロ2人分になるのでしょうか。Webライターですよね。Webライターの原稿料の相場として1本3000円であれば高額と言えます。雑誌と比較すれば10分の1以下ですが、2人前の働きをすればこれが紙媒体並みにアップしますか?

どんなに機材がよくなろうが、プロ2人分の働きはプロが2人いなくてはできません。原稿料1本3000円で「Webライターを生業にして」いくためには月産で100本書いてやっと30万円、1本2000文字の記事なら20万字(単純に30で割って1日あたり約6700文字)なのですが、このスピードで原稿を書き、CMSで原稿と写真をアップロードして、得られる収入で生活を維持しつつ70万円の機材を購入せよということなのでしょうか。「いや、ここで想定しているWebライターはもっと1記事あたりの報酬が高い」というのであればなおのこと、1記事にそれだけ高いクオリティを維持しているということです。ライターの価値をそこまで認めている媒体が、なぜ写真には同じ高いクオリティを保証できるプロのカメラマンをアサインして、記事の価値をもっと高めようとしないのでしょうか。実にアンバランスです。

「プロのWebライターとして取材し、入稿するまでの写真術」とのことですが、カメラマン役として撮影ができるWebライターとは、2人分のスキルを持つ人材ではなく、1人の人間の働きを半人前以下のカメラマンと半人前以下のライターに分割し、原稿料を0.1人前にした媒体側に都合のよいだけの存在ではありませんか? いったい誰のための”術”なのでしょう。それぞれ異なるスキルを持つカメラマン、ライターという存在の価値を落とし、Web媒体向けに文章を書くことを仕事にしようという人に多大な負担を強いる構図しか見えません。

エドウィン・ハッブルと猫のコペルニクス

 

ハンティントン・ライブラリー収蔵。1953年撮影の天球儀とエドウィン・ハッブル、猫のコペルニクス

 

1年ほど前のことです。ディスカバリーチャンネルの番組「科学は歴史をどう変えてきたか:宇宙」を観ていましたら、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)にその名を残す天文学者エドウィン・ハッブルが紹介されました。天球儀を前にしたハッブル晩年の写真です。しかし……膝の上に天球儀より目をひくものが。ぽっかり浮かぶ目が見えて、明らかに黒猫を抱いています。

「クロネコだっこしてる!」

ハッブルが猫好きだとはついぞ知りませんでした。

探してみると、写真はハッブルの論文や遺筆を収蔵したハンティントンライブラリーに収蔵されているものです。ハンティントン・ライブラリーblogの「ハッブルとコペルニクス」によると猫の名前はニコラス・コペルニクスといい、もちろん天文学者からつけられた名前だそう。記事ではThe part-Persian leviathanということなのでペルシャの血が入っていて、わりとやりたい放題していたようです。

ハッブルは、歳とってから飼いはじめたコペルニクスを奥さんともどもとても可愛がっていたそう。「すべての猫には専用ドアがなくてはならぬ」と主張して専用ドアを用意してやり、パイプクリーナーで遊び(モール状のブラシでじゃらしてやったわけですね)、書き物をしているハッブルの机の上にコペルニクスが長々と寝そべっても「手伝ってくれてるんだよ」と目を細めていたとか。

コペルニクスはわりとワイルドな猫でトカゲやら鳥やらネズミやらをせっせと捕ってはハッブルにプレゼントしていたとか。「天文学者と同じで、夜中のランチが好きなのです」とハッブル夫人グレースさんは書き残しているそうです。お客さんがあまり好きではなかったようで、「マクベス」を読みに訪れたオルダス・ハクスリーが爪の犠牲になったと……大丈夫でしょうか。しかしエドウィン・ハッブルとオルダス・ハクスリーには親交があったのですね。

ハッブルはかなり歳をとってから猫を飼い始め、コペルニクスより先に亡くなっています。窓際の席でずっと帰りを待っていたコペルニクスは、それから9年後のクリスマスイブまで生きていたということです。

【補足】BBC Horizon視聴記:ネコのひみつの暮らし

今朝のエントリではいくつか取りこぼしているところがありましたので追記です。

GPS首輪の仕様:重量35g(装着される動物の体重の1~2%というのがスタンダードのようですから、ネコの体重を平均3~4kgと考えればこれくらいになりますね)。GPSモジュールの測位間隔は30秒毎、加速度センサーの記録頻度は2秒毎。メモリはマイクロSDを使用。

煉瓦造りの建物や下草の密生したところではやはりGPS信号の受信に問題があるとのこと、研究チームは信号解読のノウハウを積み上げて数十センチメートルまで精度を上げた、とありますね。どうやっているんだ……知りたい。また、GPS信号が貧弱な状態が続くということは、ネコが屋内にいるということだと判断して、動作を押さえるというかスリープのような状態に入るそうです。測位もきっと休止ですね。ソフトウェアのアップデートやデータの吸い上げを毎晩行っているそうですから、充電はその際にできます。やはり太陽電池はイエネコ用の場合は必要なさそうです。

キャットカムとIRフィルターについて:
「IRフィルターを取り外せるようにして昼夜使い分ける」なんてさらりと書きましたが、ちゃんとわかっていなかったので夫の意見を仰ぎました。
「実はほとんどのCCDは人間の目よりも赤外線方向に感度を持っているもの。IRフィルター(赤外線カットフィルター)は、CCDの前に取り付けて赤外線をカットするためのフィルター。そうしないと、白熱電球などの熱を出す光源から赤外線まで拾って、赤いものがもっと真っ赤になるなど色がおかしくなってしまう。CCD搭載のカメラにはほとんど最初から組み込まれている」というのがまず前提。そして「日中はそのまま撮影するとして、問題は夜。暗い夜には少しでも多くの光源を拾って撮影したいので、IRフィルターを取り外して赤外線にも感度を持つようにするということじゃないかな」とのこと。ネコの行動時間によって日中、夜間どちらの撮影になるかわかりませんので、取り外したIRフィルターを状況に応じて再装着できるようにしてあるということですね。いろいろ改造してありますね。

カメラマンが追い込まれると巻き込まれかねないこと

※本エントリは、性風俗産業に関連する業界についての言及があります。そうした記述を不快に思われる方は、以後の購読はされないようおすすめします。

このブログでも何度か言及している仕事上の相棒のカメラマンですが、昨今では写真業界の仕事も大変厳しく、フリーランスとしての営業のほかにスタジオ、制作会社付きカメラマンの仕事を求めることもあります。そうした中で、数ヶ月前に経験したあるおかしな求人について記録しておきます。

そのとき、彼が見つけたのは写真スタジオ付きカメラマンの求人の口でした。自宅から通える場所にあり、日給1万数千円と比較的条件がよかったので、応募してみることにしました。その写真スタジオは、風俗店向けの制作業務を専門にしているところです。従業員の女性の写真撮影、レタッチ等による修正が業務の主な内容でした。つまるところ、風俗情報誌や風俗店Webサイトの制作実務のような仕事だと思っていただければよいかと思います。彼はヌードを含めた人物撮影の経験が多く、風俗営業そのものは特に好んでもいませんが、現状で賃仕事としてはありうると考えて応募したわけです。

応募に対して先方からメールでコンタクトがあり、カメラマンとしての経歴、実績などについて問い合わせがありました。しかし、それだけではないというのです。募集内容の撮影・レタッチのほかにスタジオの空き時間には「SEO作業を行ってもらうが了承できるか」「タッチタイピングは可能か」というのです。

カメラマンとしての業務のほかに、(社会人として)スタジオの電話番から伝票作成、スタジオ管理など事務方もやってくれというのなら話はわかります。しかし、SEOというのはカメラマンに求められるスキルとしては理解しがたい部分があります。同じデジタル、というのはあまりにもざっくりしすぎる分類です。

カメラマンに求められるスキル:デジタル暗室(RAW現像)、レタッチによる修正、切り抜き加工などデザイン用の下ごしらえ、カラーマネジメントなど
SEOに求められるスキル:検索エンジン向けのコンテンツ最適化、検索クエリ別のランディングページ最適化、アクセス解析結果に合わせたコンテンツ修正、検索連動型広告への出稿など

出版・広告関係には、隣接するスキルを求められて次第にスキルの幅を広げていったという人はそれほど珍しくありません。カメラマンが次第にデザイン関係のことも学んで、ディレクターとして活動するようになったとか、ライター兼編集者といった人は大勢います。しかし、上記の二つは同じデジタル、とかいうレベルの関連ではありません。SEO作業はどちらかといえばWebディレクター、Webデザイナーに求められる作業です。彼はデジタル写真の分野では早くから経験を持ち、基本的にRAW撮影でJPEG撮って出しはあまりしないタイプのカメラマンですが、業務の中でSEOと関わったことはありません。「カメラマン募集」でSEOスキルワーカーが応募してくると考えるのは余りにも無理があります。せめて「Webディレクター 写真撮影経験者」といった募集をしないかぎり、都合よく両方のスキルセットを持った人材が来るとは考えにくいのです。

意外なことを求められたため、彼は「SEO業務とは何のことか。具体的に何を行うのか」問い合わせを出しました。すると途端に、「求める人材ではないため」と先方から断られました。どうも、何かおかしな求人です。

ここから先は、憶測がかなり入ります。検証することができないため、一個人の推測だと思っていただければと思います。

カメラマンだという経験を脇に置くと、彼が求められたのは「タッチタイプができる」だけの素人デジタルワーカーです。主体的にWebページを制作できるスキルワーカーではありません。では、そうした人間にも可能なSEO作業とは何でしょう。

スパム発送作業だと思います。

 コメントスパム、トラックバックスパム、あるいは古典的なスパムメールかもしれません。最近ですと、Facebookの身分詐称アカウントからの友達申請は珍しくありませんし、Twitterにスパム誘導のための釣りアカウントではないかと思われるアカウント名がずらりと並んでいるのも見たことがあります。こうしたメッセージを大量発送して、1件でも風俗店サイトへの誘導を増やすこと、それを「SEOだ」と強弁しているのではないかというのが私の考えです。

メーラーにせよSNSツールにせよ、機械的な大量発送は対策済みのようですが、それならと人力での手当たり次第スパム発送に戻ってきているのではないでしょうか。素人スパマーに求められる能力はといえば、入力の速さだけでしょう。女性名で性別プロフィール:男性のまま友達申請をよこすFacebookアカウントをみれば想像がつきます。創意工夫など何もないのです。なくて幸いですが。

上記は「SEO業務っていったい何をさせる気だったんだ?」と彼から相談を受けたときに私が推測したことです。特に検証を行うつもりもありませんので推測のままにしておきますが、例に挙げた求人の口は、断られてかえってよかったというのが私の正直な感想です。

もしも、こんなところが入口となってスパム業者の片棒担がされる人間がいるとすれば、それはとても残念なことです。「SEOという言葉も知らないようでは使い物にならない」「何か探りを入れてきた、面倒くさいタイプだ」どう思われたのかまではわかりません。何にせよ、今回は主体的に彼が断わらなくても向こうから断ってきたのでよかったというところでしょう。こうした経験を表に出すことが良いのかどうか二人で相談しましたが、推測も含めて考えていただける材料になればと思っています。

鳥坂先輩、たわば先輩は結局何がかたよっているのか:25年目のメモ

コミック「究極超人あ~る」8巻。公園での撮影会で、光画部OBの鳥坂先輩、
たわば先輩が張り切って撮影のテクニックを教えてくれるが、
教えがどれもかたよっていて……というシーンがあります。
いったい何がかたよっているというのか? 
カメラマンと結婚したのをいいことに、何度も「教えて」と頼んできましたが、
あんまり何度も聞くと怒られそうです。
blogにまとめておけば安心! 忘れちゃったらいつでも見に来ればいいからね。
そんなわけで、現役カメラマンへのインタビューを元にまとめました。

【鳥坂先輩】
「まず使用するフィルムだが、『トライXで万全』」
→トライXとは、コダックのISO感度400のモノクロフィルム。感度は高いが、
引き伸ばすと粒子感がある。
それに対して「基本はやっぱりネオパンSSじゃないですか?」
と突っ込まれている。
フジフィルムのネオパンSSはISO感度100のフィルム。屋外(公園)、
日中の撮影会では十分なシャッタースピード、絞りを得られる感度を持っているし、
より微粒子。35mmフィルムからキャビネ判に焼くことを前提に考えれば、
粒子感が目立たず、一般的に言って「きれい」。

「これを4号か5号で焼いてこそ味が出る」
→印画紙は、一般的にいって1号(軟調)~5号(硬調)まで、
コントラストの幅がある
(メーカーによってはもっと幅がある)。
さんごの言う「3号」は、中間~やや硬調、
くらいの中間的なコントラストを得られるタイプ。
(メーカーによってこれも微妙な差異がある)
ガビッと粒子を出し、カチッとコントラストを高くして、黒はつぶれる、白は飛ぶ、
と差のある雰囲気を出せ! と鳥坂先輩は教えているわけだ。

フィルムとしてそもそも粒子感がでやすいトライXを硬調よりの紙で、
どちらかというと「激しい表現」「ドラマチックな表現」
を求める指向だとはいえる。
ただ、どっちも別に間違いじゃないよね。

【たわば先輩】
「逆光は勝利!」
→そんな陰影ばっかりの表現を高校写真部でやるか? 確かに輪郭が出るけど、
手前から起こし(レフ板)もいれないといけないし、人物・静物ならともかく
風景ではやらないでしょうw それは勝利なの……?

「世はなべて三分の一」
→よくわからない。構図のことを言っている、被写体を真ん中におくな、
という意味なのか? 

「ピーカン不許可」
→逆光が勝利でなぜピーカンが不許可? 相反するのではないか。
うす曇のほうが撮りやすいとも思うが、
そしたら逆光は勝利じゃなくなるでしょ。

「頭上の余白は敵だ」
→これもよくわからないが、いっぱいに入れろ(背景イラネ)、という意味か? 
人物を寄りめで撮るときの話なのかも。
※そもそも、このシーンでは公園に風景を撮りに来た撮影会のはずですが、
たわば先輩は全部人物撮影の話してるじゃん、シチュエーションと合ってないよ、
という意味で「かたよってる」のかもしれないということです。
たわば先輩ってさんごの昼寝写真とかばっかり撮っていたような気がするので、
「俺は人物専門! 山とかいらねーんだよ!」みたいなことなのかも。

ということです。