エクアドル超小型衛星、驚異の兄弟衛星コンステレーションで機能回復と発表 [仮訳]

昨年5月、打ち上げ直後のエクアドルの超小型衛星がスペースデブリと衝突し、通信できなくなるという事件がありました。

エクアドル初の超小型衛星NEE-01 旧ソ連ロケット由来のスペースデブリと衝突事故

エクアドル宇宙庁EXA衛星復旧計画発表(仮訳) [5月28日付]

など。

その後、復旧計画がうまくいかなかったとのことで、昨年8月にNEE-01の運用終了、11月にはドニエプルロケットで2号機NEE-02 クリューサーオールの打ち上げが行われたとのこと。ペガソについてはもうあきらめられたものと思っていたのです。
それが、本日付のEXA エクアドル宇宙機関の発表では、ペガソとの通信を回復するため、クリューサーオールが通信を中継するオペレーションを行い、成功したとのニュースが。
アンテナが明後日の方を向いてしまったペガソですが、中継によって音声の一部が受信できたとのこと。今後は映像の送信機能も回復させ、情報を取得してデブリ衝突事故の詳細解明にあたるとのこと。もしも衝突事故周辺の映像が残っていたらすごいことですが、どうなることか続報を見守りたいと思います。
EXAは、クリューサーオール経由でペガソと通信が回復した瞬間のオペレーション映像も公開しています。

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EXA、NEE-02″クリューサーオール”によってNEE-01″ペガソ”を修復

2014年1月27日 グアヤキル
エクアドル宇宙機関 EXAは、NEE-02″クリューサーオール”の軌道上中継によって、NEE-01″ペガソ”の機能を部分的に取り戻したと発表しまた。

SEN-02″クリューサーオール”が、1月25日にサンボロドン・ECU911の宇宙飛行コントロールセンター(CCVE)からオペレーションを行っている間、NEE-02に搭載されたPERSEOモジュールが10時5分に起動し、10時5分50秒にNEE-01 ペガソの音声の一部を中継しCCVEで受信しました。すべての機能は予定通り起動し、中継オペレーションは成功です。大統領はすみやかに国営TV中継に直接に知らせを送りました。

NEE-01 ペガソは、軌道上の物体SCC-15890と側面衝突を起こして以来、地球上からEXAが信号を送って機能回復を試みたものの失敗。その後の数か月後の2013年8月に、運用停止を宣言していました。

この数カ月、EXAの宇宙運用チームはNEE-01の弱い信号の幾何学面を分析し、11月21日にロシアから打ち上げられたNEE-02 クリューサーオールのマイクロ中継器を配置する代替案を策定しました。衛星とPERSEO 中継モジュールの幾何学面を利用する設計とミッションは完全に秘密裏にされてきました。

私たちが情報を入手してから、ナノ衛星の運用におけるこうしたタイプのオペレーションは初めてのことです。

EXAは、NEE-01の動画伝送機能の一部を回復するため活動を継続します。また、NEE-01とNEE-02が構成する衛星コンステレーションを、昨年5月に起きた特定事象の調査とこうした事象の一般的性質の調査を拡充するために割り当て、世界の科学コミュニティの利益となるよう報告書を発表する予定です。

EXAは、プロジェクト成功を手助けしてくれたMinistry of Inteligence(SENAIN)とMinistry of Security Coordinator (MICS)、わけても大統領の力強い支援、プログラム初期に協力してくれたエクアドルの人々の支援を高く評価します。

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※例によって、スペイン語プレスリリース→英語→仮訳としています。

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今日のNEE-01 Pegaso [5月31日午前]

日本時間5月31日午前の時点で、ナデル宇宙飛行士(@Ronnie_Nader)やEXA(@EXA_ec)のツイートから、NEE-01 Pegasoの状態についてメモしておきます。

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  • TLEチームによれば、NEE-01のソーラーパネルは無事が確認されているとのこと。チタン軸に感謝、だそう
  • バッテリーの放電レートが予想を下回っており、何か予期しない要因があるのかもしれないとのこと
  • (意味がつかめない)アンテナのあごが地理学的で、ゴールドペガサス、クエンカ???
  • ナデル宇宙飛行士が国連に招待され、今回のデブリ衝突事故についてのディスカッションに参加するとのこと

 

三つめについて。国連というのはCOPUOSでしょうか。宇宙新興国が被った被害について、どの国も関心があると思われます。また、これまで宇宙先進国が活動する中で発生したデブリが新興国の宇宙活動に損害を与えた、となれば扱いを間違うと先進国・新興国の対立の種になることだってありうると思います。当事者としてのエクアドルに参加いただいて議論し、共感や支援を申し出る機会を作っておくのは大いに意味がありそうです。

エクアドル宇宙庁EXA衛星復旧計画発表(仮訳) [5月28日付]

5月28日深夜、EXAサイトに発表されたNEE-01の状態と復旧オペレーションに関する発表の仮訳です。こちらもスペイン語→英語自動翻訳を私が日本語にしたものです。元サイトへの確認をかならず行ってください。

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EXA NEE-01 PEGASUS復旧オペレーションを打ち上げ

2013年5月28日 グアヤキル,エクアドル宇宙機関EXAは、エクアドル初の人工衛星NEE-01(ペガス-ペガサス)が23日0時38分17秒、1985年7月に打ち上げられたTsyklon-3ロケットの最終ステージで軌道上ではSCC-15890のカタログ番号がつけられた物体およびその周辺を包むように付随している粒子群と側面衝突したものの生きのびたという23日火曜日の事象の後、軌道データを分析し航路をモニターしている。

耐放射線シールド”NEMEA(ネメア)”およびチタン基板の太陽電池パネルは衝突に耐えたものの、衛星はアンテナの指向を失い、二つの軸を中心に激しく動いているため、現在も通信の受信、およびコマンド送信ができない状態にある。

EXAはNEE-01ペガサスが完全に機能する状態にあるものの、回転によって地球局”HERMES-A”はその信号を1枚の画像、または整った音声に統合することができない。

EXAはコードネーム”PERSEUS ペルセウス”と名付けた復旧オペレーションを3か月後に打ち上げる開始する予定である。その後もNEE-01の制御を取り戻すことができない場合は、保険に関する一連の手続きを開始する(かつ、TVでその経過を報告する? 不明)

@SaYo555 さんより、launchは”打ち上げ”の意ではなく、始動、スタートアップのことではないかとのご指摘がありました。復旧オペレーションが軌道上に機器を送り込んで行われるとの記述はありませんので、ご指摘を受けて訂正いたします。(5月29日13:04)

日本時間5月29日07:30追記

「ペルセウスはNEE-02に搭載する機器ですか?」と質問したところ、ナデル宇宙飛行士から質問への回答メンションいただきました。

@ayano_kova Tnx Ayano San, PERSEUS is an acronym for a coupled dynamics technique we are trying here, NEE-02 Mission is unchanged..

(”ペルセウス”の名は、われわれがここで取り組んでいる二つのダイナミックな技術の頭文字を合わせたもので、NEE-02のミッションには変更はありません…)

ということは、ペルセウスミッションはNEE-02と別のなにかを打ち上げるということでしょうか。詳細はまだよくわかりませんが、随時わかりましたら追っていきたいと思います。

エクアドル衛星デブリ衝突事故 プレス発表の断片

エクアドルの人工衛星 NEE-01 Pegasoスペースデブリ衝突事故について、現地時間27日15:00からの公式発表は行われたようです。Web上で確認できる文書はありませんが、発表会場であるecu911samboツイートに発表内容がいくつか載っています。

※スペイン語→英語自動翻訳を元にしています。

  • プレスカンファレンス議長は、ロニー・ナデル氏
  • ナデル氏の発言によれば、衝突後も衛星は「100% operational」とのこと。
  • 衝突は「long shot」とのことで(極めてまれな事象ということか?)、衛星はまず衝突に耐えた
  • また、衛星は復旧可能である。対処すべきことは一つではないが、運用を継続すべく作業を続けている
  • 緊急事態に直面して得られた経験は、国家にとって非常に有益である

日本時間28日09:00現在、確認できた内容は以上です。

日本時間28日15:50追記

  • NEE-01復旧オペレーション名発表 “PERSEO(ペルセウス)”

お知らせ:エクアドル宇宙庁公式発表延期

前エントリにて予告のありました、エクアドル宇宙庁EXAによる、キューブサットNEE-01 Pegasoのスペースデブリ衝突事故に関する公式発表は

現地時間5月27日15:00

(日本時間5月28日05:00)

に延期とのことです。発表があり次第できるだけ早く対応いたしますが、早朝のためリアルタイム対応はできない可能性もあります。

※本エントリは正式発表がありましたら削除いたします。

エクアドル宇宙庁EXA暫定発表(仮訳) [5月23日付]

現地時間5月23日(日本時間5月24日)エクアドル宇宙庁 EXAサイトに掲載されている、NEE-01衝突事故に関する暫定発表の仮訳です。※スペイン語→英語自動翻訳を私が日本語訳にしたものです。かならずリンク先サイトへの確認を行ってください。

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NEE-01 ペガサス、ロシアのロケット残骸との側面衝突するも生存

2013年5月23日 グアヤキル,エクアドル初の人工衛星NEE-01(ペガス-ペガサス)は、本日0時38分17秒、1985年7月に打ち上げられたTsyklon-3ロケットの最終ステージで軌道上ではSCC-15890のカタログ番号がつけられた物体およびその周辺を包むように付随している粒子群と側面衝突したものの生きのびた。

耐放射線シールド”NEMEA(ネメア)”およびチタン基板の太陽電池パネルは衝突に耐えたものの、衛星はアンテナの指向を失い、急激に2回転したため、通信の受信、およびコマンド送信ができない状態にある。

ペガサスの仲間であるアルゼンチンの衛星CubeBug-1も軌道上での姿勢の変化を報告しており、少なくとも粒子一つの衝突を確認している。アルゼンチンチームは、衝突の結果としてNEE-01 ペガサス軌道傾斜角のわずかな変化を報告しているが、我々は本ニュースレターにおける上記の件に関しては、さらに観測を必要とするためまだ確認できていない。まもなくエクアドル上空を衛星が通過する予定であり、確認できる。EXAは、変化の大きさを確認し軌道計算をし直すため作業を続けている。
宇宙活動理事会EXAは、一段階ずつ衛星のデータを収集し分析し、衛星の機能回復が可能であるか結論付けるとともに、5月27日午前10時にSamborondon ECU911においてメディア向けの発表を行う予定である。

プレスコンタクト:Harry Ruiz、hruiz@exa.ec

エクアドル初の超小型衛星NEE-01 旧ソ連ロケット由来のスペースデブリと衝突事故

毎日.jp とhttp://goo.gl/GXlbB AFP BBNewsでも http://goo.gl/Js2Xb 報道されていますが、5月23日、エクアドルの超小型衛星(キューブサット)NEE-01 Pegasoが旧ソ連時代のロケット残骸と軌道上で衝突しました。
エクアドル宇宙庁EXAの5月23日暫定発表によれば、NEE-01と衝突したのは1985年に打ち上げられたTsyklon-3最終ステージ、カタログ番号SCC-15890です。
暫定発表によれば「側面衝突」とのこと。NEE-01は軌道を維持しており、衛星本体、太陽電池パネル、耐放射線スクリーンは衝突に耐えました。ただしアンテナの方向が変わった(2回転した?)ため、地上局との通信ができない状態になっています。
エクアドル宇宙庁は現地時間5月27日月曜日メディア向けに公式発表を行う予定としています。(日本との時差は14時間、日本では28日になると思われます)
現状把握にはアルゼンチンの小型衛星「CubeBug1」関係者が協力しているよう。CubeBug1は、NEE-01と同時に今年4月に長征ロケットで相乗り打ち上げの仲間です。@CubeBug1
現状についてのソースは主にエクアドル宇宙飛行士でEXAダイレクターのロニー・ナデル氏(@Ronnie_Nader)。日本時間24日午後5時ごろまで活発にツイートされていたが現在休止中。※その後、24日23時ごろからまた精力的にツイートを開始しています。

【NEE-01諸源】
愛称”Pegaso”はペガサスのこと。キューブサット1U(10×10×10cm)重量約1.2kgの超小型衛星。太陽電池パネルを広げた状態で幅約70cm。高度650km、軌道傾斜角98.05度。2013年4月25日中国・長征2Dロケットにて打ち上げ。地球周回軌道からの撮像、生映像の送信を目的としていたとのこと。2009年よりナデル宇宙飛行士らを中心に開発を開始し、教育ミッションも目的としています。5月16日にYouTubeに撮影動画を公開しています。打ち上げからわずか1ヵ月でのデブリ衝突という悲劇でした。


外務省公開資料によると、2011年末時点でのNEE-01打ち上げロケットはロシア・ウクライナ合弁企業ISCコスモトラス社(ドニエプルロケットか)でした。実際は長征にて打ち上げています。変更のいきさつは私はまだ把握できていません。
エクアドル人工衛星計画はこれ1台ではなく、今年8月にNEE-02 KRYSAOR(クリューサーオール、ペガサスの兄弟)打ち上げが予定されています。
NEE-01とSCC-15890の衝突の危険性についてはJSpOCが警告していましたが、NEE-01は推進機関を持たないので衝突回避もできずどうにもならなかったと思われます。

国家初の人工衛星が打ち上げからわずか1ヵ月でデブリ衝突とは衝撃的な事態です。NEE-01の通信回復を祈っています。感想になりますが、人工衛星では最小クラスのキューブサットでもデブリ衝突があり得るということも驚きです。また、高度650kmは地球観測衛星で大変に混みあっているところで、日本の衛星でいえば「だいち(ALOS)」も「いぶき(GOSAT)」ほぼそこです。

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というようなことをつらつらツイートしておりましたら、当のEXAよりナデル宇宙飛行士からメンションが来て大変驚いております。
@ayano_kova Hello Ayano San, you can direct your questions to spaceops@exa.ec
@ayano_kova Domo Arigato Ayano San, latest release in http://exa.ec/bp52
「NEE-01の無事をお祈りしております」というようなことしか申し上げられませんでしたが、運用中の人工衛星のデブリ衝突事故は大変に気になるところです。続報を待って追記したいと思います。