「ロケットは油断ならない」米欧の呟き

2014年8月22日、アリアンスペース社が仏領ギアナ・ギアナ宇宙センターからソユーズロケットで打ち上げた2機のGalileo FOC(ガリレオフル機能衛星)の軌道投入問題で苦しんでいます。私もニュースサイトで経緯を伝えていくつもりでおります。
ガリレオ測位衛星の軌道投入失敗、ソユーズロケット上段に問題と発表

この件について、8月25日付でDLR(ドイツ連邦宇宙庁)のサイトに、ドイツ航空宇宙センター執行委員会議長、ジャン・ヴェルナーさん(Jan Worner :the Chairman of the Executive Board of the German Aerospace Center)から率直で関係者の苦悩がうかがえるblogがポストされました。

ロケットサイエンスを知る上でも大切なポストであるかと思います。勝手訳をご紹介いたします。

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「ロケットは油断ならない」

これは商業宇宙旅行の分野のパイオニアであり、Space X設立者のイーロン・マスクからの引用だ。Space Xが試験飛行に失敗した、2014年8月23日の彼の心情を表現したものだ。宇宙飛行に使われる機器は常に、非常に洗練された技術であり、入り組んだシステムの複雑さのために、安全マージンを十分に取れないまま展開しなくてはならないし、リアルタイムで調整できる選択肢も少ない。ロケット技術は長年継続してきているし、長いあいだ成功裏に展開しているにも関わらず、前述のような様相を呈しており「絶対確実」など夢にすぎないのだ。この事実は、2014年8月22日の2機のGalileo衛星打ち上げの際にも、再びその頭をもたげてきた。

ソユーズロケットは、仏領ギアナの欧州宇宙港から打ち上げられた。当初、全ての数値はパーフェクト・ミッションを示していた……ロケットは予定通りに打ち上げられ、続く予定の飛行経路も、各段の分離も正常に実施された。とはいえ、実は2機の衛星にとって最初の問題は太陽電池パドルが意図したとおりに展開できなかったときに始まっていたのだ。より詳細な分析により明らかになったところでは、地球の赤道に対する衛星の高度と軌道傾斜角は要求を満足しなかった。(ロケット)上段はまた、明らかに予定された衛星の縦軸に対する回転(”バーベキュー”モードと呼ばれ、太陽光に曝されている間に熱の状態を良好に保つために意図されている)を引き起こすことに失敗している。まだまだ原因や結果について結論的なことを述べるには早すぎるものの、イーロン・マスクからの引用に戻れば、私たちが相互に避難の応酬の罠に陥るのではないかと案じている。それよりも、原因を特定し、将来の打ち上げの成功を確実にするために必要な手段を取らなくてはならないだろう。

Galileo計画は、欧州委員会と欧州宇宙機関(ESA)、各国宇宙機関、航空宇宙産業の協働による欧州の宇宙活動のフラッグシップだ。このシステムを我々が必要としているのは、欧州のうぬぼれによるものではない。そうではなく、独立した安全を一定のレベルで保障するために、”安全”に冗長性を確保するための一連の必要性から来ているものなのだ。一例を挙げれば、航空機が着陸前に最終アプローチを行う際には、衛星航法によって誘導される。

8月22日の出来事は、Galileo計画を妨げる不運な出来事であるのは言うまでもない。計画が始まった何年も前から、こうした事態(どちらかといえば、技術上というよりは主に経営上の問題ではあったが)に再三苦しめられてきた。とはいえ、計画の必要性は専門家にとって異論の余地はなく、すべては将来の政策や行動の基礎となるものだ。精密な軌道投入はシステムにとって極めて高い要求であり、ゆえにとりわけ挑戦となるだろう。ここでは、技術者はある結果に対応しなくてはならないかもしれない。例を挙げれば、物理法則にもとづいて定義される狭い選択肢の中で、リアルタイムで対応できる選択肢を最大化する、将来の欧州の打ち上げロケット選定などだ。

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状況が不透明な中で、抽象的な書き方をされているとは思います。ですが、これは将来の欧州衛星のローンチ・ヴィークルに欧州外のロケットは採用しない決定の可能性もあるということでしょうか? アリアンスペースはGalileo衛星の2015年以降の打ち上げでは、アリアン5を採用する旨を発表しており(ソユーズ:2機同時打ち上げからアリアン5:4機同時打ち上げへ)、他の衛星にも同様の検討(ロシア製だけが欧州にとって海外製にあたるわけではありませんが)が発生するのかもしれない、と感じています。

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おはようロゼッタ 冬眠開け通信成功!

日本時間2014年1月21日午前3時18分、ESAの彗星探査機ロゼッタからの冬眠開け通信が届きました。

ESOC中継をずっと見ていました。予定では午前2時に探査機は通信を始めるはず。午前2時30分に通信ウィンドウが開いて、電波が届くのに45分。予定では2時45分以降に探査機の第一声が聞かれるはずなのです。

なかなか表れない……。通信を担当しているのはNADAのDSNで、ゴールドストーン局からのモニターにピコーンと波形が立つはず。ツイッターで「音声がないようですが」との質問があったくらい、ESOCのみなさんはずっと息をひそめてモニターを見守っておられました。

最初のウィンドウ開始から48分、心配になってきたころ画面から歓声と拍手が。ロゼッタ運用マネージャのAndrea Accomazzoさんがガッツポーズをしていて、やった! という感じ。こういう時の様子に国の違いはあまりなくて、「うちの子がやったよ!」感にあふれていたように思います。

探査機のミッションをリアルタイムで見守って、達成を分かち合う機会というのはそうしょっちゅうある機会ではありません。見ていてよかった。楽しかった。

おめでとう、ロゼッタ冬眠からお目覚め。彗星到着、そして初の彗星探査もきっと見守ります!

ロゼッタからの通信が届いた瞬間。

ロゼッタからの通信が届いた瞬間。

起きろ! ロゼッタ!! 1月20日彗星探査機「Rosetta」冬眠開け

2014年1月20日10:00 UTC (日本時間1月20日19:00) 、1週間後にESAの彗星探査機Rosettaが、2年7カ月ぶりに冬眠モードから開けて活動を再開します。8月のチュリモフ・ゲラシメンコ彗星到着、11月に予定されている史上初の彗星着陸探査がとても楽しみです。

ESAは、#wakeuprosetta キャンペーンを開始しており、ロゼッタ休眠開け応援動画の投稿などを募集中。↓の公式動画に関連してたくさんの投稿が寄せられています。こんな風に、探査機をSNS上で応援するのはいいですね。「はやぶさ」のタッチダウンの時にはまだそうと知らなかった私ですが、貴重なミッションをリアルタイムで応援する機会です。

思いっきり応援しましょう!

あるとき、ロゼッタという名の探査機が夜空に打ち上げられました。
待ち受ける長い長い旅は、太陽系のふしぎを解き明かすため。
ロゼッタは小さなお供、着陸機のフィラエを連れて
ずっとずっと長い間の夢、ついにその旅路に出ました。
とても遠いチュリモフ・ゲラシメンコ彗星を追うのです。

ロゼッタはたくさんのエネルギーが必要なので、
地球と火星を周って手に入れました。美しい景色を見ながら
どんな探査機もいったことのない道へ向かいます

ロゼッタはダイヤモンド型の何かをみつけました。
小惑星シュテインスです。
地球の誰もまだ見たことのない、驚くような写真をたくさん撮って
ロゼッタが速度を上げると、ダイヤモンドは去っていきました。

その先に、巨大な姿が現れました。
年経た大岩ルテティア、高さ100キロ、幅100キロで
表面には大きなクレーター。ロゼッタは故郷にたくさんの写真を送ります。
こんな驚異もまだ始まったばかり冒険のひとつなのです。

力をくれる太陽から遠くなり
ロゼッタはなんだかとてもくたびれてきました。休息が必要です。
宇宙の旅はまだまだ続きます。
ロゼッタは深い眠りにつきました。2年と7カ月12日のあいだ。

さあ、ロゼッタが起きて、目を開けるときが来ました
起きて、ロゼッタ。君とフィラエには彗星追跡が待っているよ
起きて。起きて! ロゼッタ!