コミック「究極超人あ~る」8巻。公園での撮影会で、光画部OBの鳥坂先輩、
たわば先輩が張り切って撮影のテクニックを教えてくれるが、
教えがどれもかたよっていて……というシーンがあります。
いったい何がかたよっているというのか? 
カメラマンと結婚したのをいいことに、何度も「教えて」と頼んできましたが、
あんまり何度も聞くと怒られそうです。
blogにまとめておけば安心! 忘れちゃったらいつでも見に来ればいいからね。
そんなわけで、現役カメラマンへのインタビューを元にまとめました。

【鳥坂先輩】
「まず使用するフィルムだが、『トライXで万全』」
→トライXとは、コダックのISO感度400のモノクロフィルム。感度は高いが、
引き伸ばすと粒子感がある。
それに対して「基本はやっぱりネオパンSSじゃないですか?」
と突っ込まれている。
フジフィルムのネオパンSSはISO感度100のフィルム。屋外(公園)、
日中の撮影会では十分なシャッタースピード、絞りを得られる感度を持っているし、
より微粒子。35mmフィルムからキャビネ判に焼くことを前提に考えれば、
粒子感が目立たず、一般的に言って「きれい」。

「これを4号か5号で焼いてこそ味が出る」
→印画紙は、一般的にいって1号(軟調)~5号(硬調)まで、
コントラストの幅がある
(メーカーによってはもっと幅がある)。
さんごの言う「3号」は、中間~やや硬調、
くらいの中間的なコントラストを得られるタイプ。
(メーカーによってこれも微妙な差異がある)
ガビッと粒子を出し、カチッとコントラストを高くして、黒はつぶれる、白は飛ぶ、
と差のある雰囲気を出せ! と鳥坂先輩は教えているわけだ。

フィルムとしてそもそも粒子感がでやすいトライXを硬調よりの紙で、
どちらかというと「激しい表現」「ドラマチックな表現」
を求める指向だとはいえる。
ただ、どっちも別に間違いじゃないよね。

【たわば先輩】
「逆光は勝利!」
→そんな陰影ばっかりの表現を高校写真部でやるか? 確かに輪郭が出るけど、
手前から起こし(レフ板)もいれないといけないし、人物・静物ならともかく
風景ではやらないでしょうw それは勝利なの……?

「世はなべて三分の一」
→よくわからない。構図のことを言っている、被写体を真ん中におくな、
という意味なのか? 

「ピーカン不許可」
→逆光が勝利でなぜピーカンが不許可? 相反するのではないか。
うす曇のほうが撮りやすいとも思うが、
そしたら逆光は勝利じゃなくなるでしょ。

「頭上の余白は敵だ」
→これもよくわからないが、いっぱいに入れろ(背景イラネ)、という意味か? 
人物を寄りめで撮るときの話なのかも。
※そもそも、このシーンでは公園に風景を撮りに来た撮影会のはずですが、
たわば先輩は全部人物撮影の話してるじゃん、シチュエーションと合ってないよ、
という意味で「かたよってる」のかもしれないということです。
たわば先輩ってさんごの昼寝写真とかばっかり撮っていたような気がするので、
「俺は人物専門! 山とかいらねーんだよ!」みたいなことなのかも。

ということです。